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責任投資原則

東京海上アセットマネジメント株式会社

1.基本方針

東京海上アセットマネジメントは、資産運用を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献することを経営理念の一つとしています。快適な社会生活と経済の発展に貢献するため、投資先企業の財務的要素のみならず、環境・社会・ガバナンス(ESG※)等の非財務的な要素も適切に考慮した、責任ある投資を受託者責任に即して実行するとともに、投資先企業に対して能動的な働きかけを行うことで当該投資先企業の中長期的成長を促し、お客様にとっての中長期的な投資リターンを向上することを目指します。

※ESG:Environment, Social, Governance

2.責任投資に係る当社の取組み

(1) 責任投資に関する組織体制の整備

東京海上アセットマネジメントでは、各資産の運用担当者等で構成する責任投資委員会を設置し、同委員会で責任投資に関するプロセス・体制の整備等を行っています。また、議決権行使に関する基本方針やガイドラインの策定および改廃や、プロセス・体制の整備も同委員会が担当しています。
今後も機関投資家が果たすべき責任投資への理解を深め、環境・社会・ガバナンス(ESG)等の課題を総合的に考慮した投資を通じて、機関投資家としての責任を果たして参ります。

(2) 国連責任投資原則(PRI)への署名

国連責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)とは、国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)と国連グローバル・コンパクト(UN Global Compact)が作成し、2006年に当時のアナン国連事務総長が提唱した原則です。同原則は、機関投資家の投資判断プロセスに投資先企業の環境・社会・ガバナンス(ESG)等の側面を考慮することで、お客様の中長期的な利益の拡大を図ることを目的としています。

東京海上アセットマネジメントは、国連責任投資原則(PRI)の考え方に賛同し、2011年4月に署名しました。

国連責任投資原則(PRI)
  • 1. 私たちは投資分析と意思決定のプロセスに ESG の課題を組み込みます。
  • 2. 私たちは活動的な(株式)所有者になり、(株式の)所有方針と(株式の)所有慣習にESG問題を組み入れます。
  • 3. 私たちは、投資対象の主体に対して ESG の課題について適切な開示を求めます。
  • 4. 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるよう働きかけを行います。
  • 5. 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。
  • 6. 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況について報告します。

PRIロゴ

(3)「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則
 (21 世紀金融行動原則)」への署名

21世紀金融行動原則は、環境省の中央環境審議会の提言に基づき、環境金融への取組みの輪を広げていく目的で、幅広い金融機関が参加した「日本版環境金融行動原則起草委員会」がとりまとめた原則です。同原則は、国内金融機関が、直面する環境・社会・ガバナンス(ESG)等の様々な課題に対し、本業において最善の取組みを進めていくための行動指針となるものです。

東京海上アセットマネジメントは、「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21世紀金融行動原則)」の趣旨に賛同し、2012年2月に署名しました。また、SRIファンドやソーラーファンド等、投資商品を通じた環境配慮への直接的な取組みを行っています。

持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21 世紀金融行動原則)
  • 1. 自らが果たすべき責任と役割を認識し、予防的アプローチの視点も踏まえ、それぞれの事業を通じ持続可能な社会の形成に向けた最善の取組みを推進する。
  • 2. 環境産業に代表される「持続可能な社会の形成に寄与する産業」の発展と競争力の向上に資する金融商品・サービスの開発・提供を通じ、持続可能なグローバル社会の形成に貢献する。
  • 3. 地域の振興と持続可能性の向上の視点に立ち、中小企業などの環境配慮や市民の環境意識の向上、災害への備えやコミュニティ活動をサポートする。
  • 4. 持続可能な社会の形成には、多様なステークホルダーが連携することが重要と認識し、かかる取組みに自ら参画するだけでなく主体的な役割を担うよう努める。
  • 5. 環境関連法規の遵守にとどまらず、省資源・省エネルギー等の環境負荷の軽減に積極的に取り組み、サプライヤーにも働き掛けるように努める。
  • 6. 社会の持続可能性を高める活動が経営的な課題であると認識するとともに、取組みの情報開示に努める。
  • 7. 上記の取組みを日常業務において積極的に実践するために、環境や社会の問題に対する自社の役職員の意識向上を図る。

出所:環境省HP(http://www.env.go.jp/policy/keiei_portal/kinyu/gensoku.html

(4)「日本版スチュワードシップ・コード」の受け入れ

東京海上アセットマネジメントは、日本版スチュワードシップ・コードの精神に賛同し、同コード原則1から7のすべての受け入れを2014年5月に表明しました。また、同コードの改訂内容を踏まえ、2017年6月に更新を行いました。

同コードは、機関投資家が建設的な「目的を持った対話」などを通じて、投資先企業の価値向上や持続的成長を促すことにより、お客様の中長期的な投資リターンの拡大を図るために有用と考えられる諸原則を定めるものです。
当社の経営理念の一つは、資産運用を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献することであり、スチュワードシップ責任として、投資先企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、お客様の中長期的なリターンの拡大を図ることは、当社経営理念の実現に繋がるものと認識しています。同コードを受け入れることにより、責任ある機関投資家として、同コードの精神に照らして真に適切な活動を行うとともに、さらなる取組みの改善、向上に努めています。

「責任ある投資家」の諸原則 ≪日本版スチュワードシップ・コード≫
~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~

「スチュワードシップ責任」とは、機関投資家が、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任を意味します。

出所:金融庁HP「日本版スチュワードシップ・コード」に関する有識者検討会資料(http://www.fsa.go.jp/news/25/singi/20140227-2/04.pdf)

■日本版スチュワードシップ・コードにおいて原則1から原則7に関する当社方針は以下の通りです。

原則1. スチュワードシップ責任を果たすために

東京海上アセットマネジメントは、資産運用を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献することを経営理念の一つとし、投資先企業の財務的要素のみならず、非財務的な要素も適切に考慮した責任ある投資を実行します。また、投資先企業に対して能動的働きかけを行うことで当該投資先企業の中長期的な成長を促し、お客様にとっての中長期的な投資リターンの向上を目指します。
当社では、日本株プロダクトの主力商品であるアクティブ運用プロダクトを主な対象とし、建設的な対話を通じて、スチュワードシップ責任を果たして参ります。
なお、パッシブ運用プロダクトやクオンツシステム運用プロダクトに関しては、主に議決権行使を通してスチュワードシップ責任を果たして参ります。
当社日本株アクティブ運用プロダクトにおいては、投資先企業の財務的要素と非財務的要素は、企業評価において一体不可分であると判断しており、基本的にはアナリストが、投資先企業のガバナンス、企業戦略、業績、資本構造、事業リスク・収益機会(社会・環境問題に関連するものを含む)への対応などを一体として調査対象としています。環境・社会・ガバナンス・リスクマネジメント(ESGR)等の非財務的な要素については、グループ会社である東京海上日動リスクコンサルティングのESGR企業評価も活用しています。また、投資先企業との対話については、従前より「日本株式株主権行使に関する基本方針」において、中長期的な投資収益拡大の重要な手段として、コーポレートガバナンスの重要性を認識し、単に議決権行使に止めず、株主としての意見を経営陣に伝え、課題の共有を図るなど、受託者責任の一部として重視してきました。投資先企業の中長期的な成長を促すためにも、投資先企業との対話は有効な手段と考えており、スチュワードシップ責任の中核として、投資先企業との目的を持った対話を深化させていく考えです。

対話においては、中長期的な視点から投資先企業の企業価値および資本効率を高め、持続的成長を促すことを趣旨としており、対話の相手としては経営層(独立社外取締役を含む)を基本と考えています。対話の機会は個別ミーティングに限定せず、スモールミーティング、決算説明会等の様々な機会を活用しています。加えて、投資先企業と緊張感をもった有益な対話が行えるよう、引き続き、アナリストやファンドマネジャーが主体的に研鑽を積み、有益と考える対話事例の社内共有や定期的な振り返りを行うことで組織としての知見を高めて参ります。

スチュワードシップ活動における対話の質的向上を継続して行うために、運用本部長と責任投資グループで構成される「対話促進部会」がその進捗管理と監督機能を担います。対話の内容は運用本部内の閲覧可能フォルダに記録し、すべての対話事例について情報の共有化を進めることで、実効性ある対話の認識が組織的に浸透するよう努めています。アナリストは「対話促進部会」に対し、対話の進捗状況や企業側の反応、および今後のアジェンダの設定・修正等について、その時点の自己評価とともに、定期的な報告を行います。

なお、アクティブ運用プロダクトのうち、エンゲージメント運用部のプロダクトにおいては、投資前の銘柄調査段階から対話を重視し、投資後は少数の銘柄に集中投資を行ったうえで、エンゲージメントに関する投資助言等も踏まえて、投資先企業との目的を持った対話に注力しています。

原則2. 利益相反に対する考え方と対応

東京海上アセットマネジメントは、「お客様本位の業務運営に関する方針」を策定しており、お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点に置いています。お客様から信頼を頂き、お客様にとってなくてはならない会社となるために、受託資産の運用、商品の提供や契約の締結等の当社業務全般において、お客様の利益を最優先いたします。
当社では、お客様の利益を最優先する業務運営を実施するため、受託資産の運用および調査に係る判断に関しては、グループ会社や当社内の営業部門等他部門からの干渉を受けることのないよう、独立した体制を構築しています。
また、「利益相反管理方針」に基づき、スチュワードシップ責任を果たすうえで、お客様との間で利益相反を生じる可能性がある取引等として、以下の事項を想定し、各々につき管理方法を定めています。
なお、利益相反の可能性がある取引等として想定すべき事項と、これらの管理方法については、取締役会において定期的に見直しを実施します。

  • (1) 議決権行使に関する利益相反
    受託資産に組入れた株式には、親会社等、当社が資本関係を有する企業や、当社を含む東京海上グループ各社が取引関係等を有する企業の株式が含まれている場合があります。このような場合においては、各々の関係性により適切な議決権行使が妨げられないよう、運用担当者等で構成する責任投資委員会において定める議決権行使ガイドライン等に基づき、以下①~③の対応を行うことにより管理します。
    • ①親会社に対して議決権行使を行う場合には、利益相反を回避するため、議決権行使助言会社の判断基準を適用して議決権を行使します。
    • ②親会社以外の投資先企業の議決権行使についても、議決権行使判断を運用部門で完結することで利益相反を回避します。
    • ③議決権行使結果は、毎月の運用管理委員会に報告するとともに、集計後年度分を取締役会に報告します。また、個別の投資先企業および議案ごとに公表して参ります。
    議決権行使担当者(ESG専任アナリスト、アナリスト、およびファンドマネジャー)は、発行会社および議決権行使助言会社を除き、社内外のいかなる部署からの議決権行使に関わる情報提供、助言、説明を受けることなく独立した判断を行い、議決権を行使します。

    議決権行使に対するガバナンス体制としては、取締役会への報告を通して独立社外取締役2名(第三者)による監視を受けることで、議決権行使ガイドラインに即した判断となっているか否かのチェックが行われ、プロセスに係る監視と利益相反管理が担保される仕組みを構築しています。議決権行使に関する基本方針およびガイドラインの改廃については責任投資委員会で決定し、取締役会に報告を行います。
  • (2) 親会社が発行する有価証券購入に関する利益相反
    親会社が発行する有価証券を受託資産に組入れる場合、当該証券の価格設定等の透明性が損なわれるため、当社では、原則として受託資産に組入れません。
    ただし、保有をしないことによって明らかにお客様の不利益になる際には、親会社が発行する有価証券の保有を認めており、この場合保有が必要な理由、最大保有比率等について、個別に確認し、承認を行う社内フローを設けています。
  • (3) グループ会社に関する利益相反
    お客様に対し、グル―プ会社との取引関係を利用した営業活動等が行われないよう、個別に同意を頂いた場合を除き、お客様に係る情報をグループ会社と共有することを社内ルールにより禁止しています。
  • (4) 売買の執行に関する利益相反
    受託資産の運用に当たって、資産の売買を行う際に、当社との取引関係等を考慮した発注が行われることが無いよう、選定基準を満たしたブローカーに対して最良と判断した条件で実施します。
  • (5) 金融商品取引法等により定められている事項
    受託資産に係る取引情報の不当な利用が生じないよう、役職員等が自己の計算で株式・投資信託等の取引を行う場合において、役職員の職種によって類型化した行為基準を定めています。
    その他、受託資産相互間の取引等、法令上禁止または制限されている行為等に関しては、社内ルールを整備し、適宜モニタリングを行っています。
    お客様との間で利益相反を生じる可能性がある取引等に対しては、各種社内規程による制限の他、責任投資委員会、コンプライアンス委員会等を含む社内組織が主体となって継続的に管理を行います。
    利益相反に係る管理体制を含む内部統制の状況については、内部監査部が検証を行うとともに、独立社外取締役2名を含む取締役会においてモニタリングと定期的な見直しを実施しています。
原則3. 投資先企業の状況把握

東京海上アセットマネジメントは、アクティブ運用プロダクトにおける投資対象企業の選定時に、財務的要素と非財務的要素を総合して中長期的な視点で企業価値を評価し、投資判断を行います。企業の中長期成長性評価では独自の定性評価シートの視点から、ビジネスモデルの優位性を検証し、企業価値向上に資する戦略と成長ドライバーについて分析します。環境・社会・ガバナンス・リスクマネジメント(ESGR)等の非財務的な要素については、グループ会社である東京海上日動リスクコンサルティングのESGR企業評価も活用しながら、企業価値に影響を与えうる重要項目に関して状況把握を行っています。また、投資後においても、投資先企業の持続的成長に向けて、当該企業の状況を継続的に把握していきます。把握する内容は、企業の業績動向はもとより、外部環境要因、内部環境要因、経営戦略、財務戦略、ESGR要因等であり、継続的な確認を行うことで、投資先企業の中長期成長性に関する変化の兆候や課題を的確に捉えられるよう取り組みます。

  • ■ 業績動向
    • ・ 中長期業績推移(循環要因、構造要因等)
    • ・ 中期経営計画(進捗状況、計画と実績の乖離要因等)
  • ■ 外部環境要因
    • ・ 市場動向(市場規模、市場成長性、需要動向等)
    • ・ 競合状態(競合社数、参入障壁、代替品の脅威等)
  • ■ 内部環境要因
    • ・ コスト要因(開発・購買調達・製造・販売コスト等)
    • ・ 差別化要因(品質、ブランド力、研究開発・技術力等)
  • ■ 経営戦略
    • ・ 全体戦略(経営資源配分、事業ポートフォリオ等)
    • ・ 事業戦略(競争優位性、既存事業拡大、新規事業展開等)
  • ■ 財務戦略
    • ・ キャッシュフロー使途(成長投資、株主還元、財務体質強化等)
    • ・ 資本政策(資金調達、総還元性向、ROE推移等)
  • ■ ESGR要因
    • ・ 環境(気候変動対応、環境マネジメント体制整備等)
    • ・ 社会(労働安全衛生、品質安全性管理への取組み等)
    • ・ ガバナンス(独立社外役員の選任基準、取締役会の機能・実効性評価等)
    • ・ リスクマネジメント(事業継続計画の策定、情報セキュリティ体制等)

当社は、以上のようなプロセスを通じ、投資先企業の状況を継続的かつ総合的に確認することで、企業価値を毀損するおそれのある事項や中長期成長性に関する課題について、早期に把握することが可能と考えています。

原則4. 目的を持った対話と問題改善

東京海上アセットマネジメントは、中長期的な視点から投資先企業の企業価値および資本効率を高め、持続的成長を促すことを目的とした対話を積極的に行います。投資先企業の状況把握とともに、目的を持った対話の内容を投資判断に織り込むことによって、より適切な企業価値評価に繋がるように努めています。
企業価値評価の基準としては、中長期的に資本コストを上回るリターンを創出できるかどうかを重視しており、エクイティ・スプレッド(ROE-株主資本コスト)を参照しています。上記原則3に関する項目の定点観測を通し、企業価値創造の観点から投資先企業の中長期成長性に関わる課題を的確に捉え、企業価値を毀損するおそれのある事項や、良好な業況の企業が更なる成長と企業価値向上を図るうえでの対応事項を当社が把握した場合には、当該企業と認識を共有し、双方向に対話を行うよう努めています。
なお、スチュワードシップ活動の振り返り時には、投資先企業との目的を持った対話が企業価値向上に結びついた事例などを洗い出し、組織として実効性ある対話についての認識を共有するとともに、さらなる積み上げが図れるよう取り組んでいます。

また、投資先企業との間で対話を行うに当たっては、当社単独に限らず、他の機関投資家と協働で対話を行うこと(集団的エンゲージメント)が有益な場合もあり得るとの認識をもって、必要に応じて柔軟に対応して参ります。

目的を持った対話の事例としては、例えば、以下のような内容が挙げられます。

  • ■事業環境変化に対する戦略的対応等について
    • ・外部環境変化に伴う収益性低下への対応、不採算事業の構造改革と収益改善に関する対話
  • ■持続的成長に向けた戦略展開等について
    • ・さらなる成長促進に資する海外事業展開、新規事業の可能性に関する対話
  • ■財務戦略における資本政策の見直し等について
    • ・資本効率性を意識したキャシュフロー使途、成長投資と株主還元のバランスに関する対話
  • ■ESGR要因等について
    • ・持続可能な開発目標(SDGs)への取組み、社外取締役の実効性に関する対話

対話の相手としては、投資先企業の経営層(独立社外取締役を含む)が基本になると考えます。対話の機会においては、個別ミーティングを重視しますが、IR活動の繁忙でマネジメント業務が停滞することのないよう配慮します。具体的には対話の機会を個別ミーティングに限定せず、スモールミーティング、決算説明会等の様々な機会を活用し、対話を行います。

企業の法人関係情報は投資先の状況把握および対話には不要と考えており、また、企業側の選択的開示規制に鑑みると法人関係情報を受領することは基本的にないと想定しています。仮に、企業から法人関係情報を受領した場合は、当社社内規程に従って適切に対応します。

エンゲージメント運用部のプロダクトにおいては、エンゲージメント助言元のエンゲージメント専門家とともに、投資先企業との対話の場を持ちます。その際、相互理解を得るため、経営陣や取締役会メンバーとの信頼関係構築に十分な時間を費やします。その上で対話を通じて、投資先企業の中長期的な企業価値向上のためのエンゲージメント・アジェンダを投資先企業と共有します。当該エンゲージメント・アジェンダは、企業のガバナンス、企業戦略、業績、資本構造、事業リスク・収益機会(社会・環境問題に関連するものを含む)への対応等が中心となります。

原則5. 議決権行使に対する考え方

東京海上アセットマネジメントは、投資先企業との建設的な対話や調査内容等を踏まえ、当社運用部門の判断に基づいて、議決権行使を行います。適切な議決権行使を行うことは、企業のガバナンス体制強化を促し、企業の中長期的な価値向上と持続的成長に繋がるものと考えます。

議決権行使に当たっては、原則としてアクティブ運用プロダクト保有の全銘柄を精査対象企業とします。議決権行使に係るコストは、最終的にはお客様が相応に負担することとなるため、運用成果へのコストの影響も考慮して行使を行うことが必要と考えます。そのような観点から、主にパッシブ運用プロダクトの銘柄については、当社のスクリーニング基準(3期連続ROE5%未満)に抵触した企業、および責任投資グループが重点調査対象企業に選定した企業(業績不振企業、反社会的行為企業、コーポレートガバナンス問題企業等)を精査対象とします。議決権行使に当たっては、ESG専任アナリスト、アナリスト、およびファンドマネジャーが対応します。また、議決権行使に関する企業との対話については、ESG専任アナリストに加え、アナリストも基本的に参加し、情報共有と意見交換を行っています。

なお、当社で制定している議決権行使ガイドラインの特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • (1) 反社会的行為企業の議決権行使に関して
    法令違反や公序良俗に反するような行為を反社会的行為と定義し、企業の社会的信用を毀損することにより、株主・顧客・従業員の経済的損失を招く行為、公害等に代表されるような社会的損失を招く行為は、反社会的行為に該当し、議決権行使に当たっては原則として、反社会的行為等を起こした部門を管轄していた取締役および監査役の選任に反対の意思表示を行います。ただし、反社会的行為を行った企業の議案を直ちに否定するのではなく、経営責任の明確化や事後の対応策等の観点から個別に精査をしたうえで、株主の利益に沿うよう意思表示を行います。
  • (2) 議決権行使判断における企業業績評価に関して
    議決権行使判断においては、企業業績の状況も考慮します。原則として、好業績企業においては経営判断を尊重する立場で対応し、業績不振企業(過去3期連続営業赤字、過去3期連続当期赤字または過去3期連続無配の企業等)においては、より厳格に議決権行使を行うものとしています。
  • (3) 不統一行使に関して
    原則として議決権の不統一行使は行いませんが、お客様から当社に対して具体的な議決権行使の指図が提示された場合等においては、この限りではありません。また、当該指図が非合理的であると判断された場合等には、お客様に対して意見を述べることもあります。
    加えて、エンゲージメント運用部のプロダクトにおいてエンゲージメント・アジェンダ遂行のために必要な場合には、議決権行使方針の範囲内で例外適用する場合も想定しています。

なお、議決権行使助言会社の利用については、Institutional Shareholder Services Inc.(ISS社)から同社のガイドラインに準拠したレポートを取得しています。当該レポートは、議決権行使に関するコンセンサスを把握する等、当社における議決権行使に際しての参考資料の位置づけとして利用しており、最終判断は当社運用部門で行います。

当社は、議決権行使結果と賛否の理由について原則として定期的にお客様に報告を行います。また、議決権行使に関する基本方針及びガイドラインの詳細を開示するとともに、制定したガイドラインに即して適切に議決権行使が行われているか、自らの活動の透明性を高めるために、議決権行使結果を個別の投資先企業および議案ごとに公表して参ります。

原則6. お客様への定期報告

東京海上アセットマネジメントは、原則5の議決権行使結果に加え、企業との対話内容等、スチュワードシップ活動をどのように果たしているかについて、原則として定期的にお客様に報告を行います。ただし、当該報告のお客様が個別報告は不要との意思を示しているような場合には、この限りではありません。また、報告内容に関しては、投資先企業との有益と考えられる対話事例の提示等、お客様の理解を促すうえで、より適切なものとなるよう工夫・改善を図って参ります。

原則7.スチュワードシップ活動のための実力養成

東京海上アセットマネジメントの経営陣は、スチュワードシップ責任を実効的に果たすために、自らが重要な役割と責務を担っていることを認識し、組織全般の体制整備と運営に取り組んでいきます。
なお、経営陣(取締役、執行役員)の選解任に関しては、運用機関としてのコーポレートガバナンスを強化するため、独立社外取締役を委員長とする指名委員会が行う仕組みとしています。
また、東京海上アセットマネジメントは、責任ある機関投資家として、投資先企業との対話を建設的なものとし、かつ当該企業の持続的成長に資する有益なものとしていくために、スチュワードシップ活動を適切に行うための実力を運用の現場において養成していくことが重要と考えます。
そのために、アナリストやファンドマネジャーが日々研鑽を積み、投資先企業と緊張感を持った有益な対話が行えるよう努めます。当社では、スチュワードシップ活動に関する社内勉強会の実施に加え、スチュワードシップ活動の定期的な振り返りを行うことで、投資先企業の価値向上や持続的成長に真に有効であったと考えられる活動を社内で認識、共有することにより、スチュワードシップ責任を果たすための実効性ある実例を蓄積し、組織としての知見を高めて参ります。また、責任投資グループにESG専任アナリストを配置し、国連責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)や21世紀金融行動原則のワーキンググループ、スチュワードシップ研究会等への参加を通して、スチュワードシップ活動が一層適切で効果的なものとなるよう努めています。さらに、スチュワードシップ活動の継続的な改善に向けて、自らのガバナンス体制・利益相反管理の状況や、本コードの各原則 (指針を含む)の実施状況を定期的に自己評価したうえで、その概要について公表して参ります。

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